いぬおさんのおもしろ数学実験室

おいしい紅茶でも飲みながら数学、物理、工学、プログラミング、そして読書を楽しみましょう

生徒が科目選択の相談に来ました

 女生徒が相談に来ました。2年から3年に進級するときの選択科目をどうしたらよいか、ということです。ぼくは担任というわけではなく、教科担当として数学を教えていました。世界史か日本史か迷っている。選んだ方を受験科目にしたい。来年、世界史ならA先生、日本史ならB先生が担当しそう。私は世界史の方が好きなんだけれどA先生はあまり評判がよくない。日本史のB先生は丁寧に教えてくれそう。どちらにしたらよいか。……みたいな感じでした。少し違っているかも知れません。どっち道、この手の質問に正解はありません。ぼくはそういう注意をした上で「ぼくだったら好きな科目を選ぶけど」と答えておきました。そもそも来年の担当だってどうなるか全く分からないし……。

 しかし、不思議だったのはなぜぼくに聞きに来たのか、ということです。担任でもない、担当は数学。その子がお礼を言って帰ろうとしたところを「なんでぼくのところに来たの? 他にちゃんとした人がいそうなのに」と聞いてみました。すると「一番関係なさそうな人にも1人、意見を聞いてみようと思いました」とのこと。アハハ、面白いことを言う。それもひとつの見識ではあります。

 本題は終わり。ここからは付け足しです。どこでもそうなのかは知りませんが、少なくとも公立の高校では(多分)6月かそのくらいまでに来年度の選択科目を決めなければなりません。無理があります。理系か文系か決めかねている生徒だっているのです。理系を選んで3年になり、数学Ⅲが始まって勉強し始めてから「これは無理だ……」と思っても手遅れです。成績をちゃんと取らないと留年だってあり得ますし、そこまでではなくても受験の学年だというのにさすがにこれは悲惨でしょう。単にクラス編成(誰がどのクラスに入り、どんな授業を受けるか決める)だけなら秋だって間に合いそうですし、こんなに早く決めさせるのは教科書の関係なのだ、聞いたことがあります。それだけが理由なのか、そもそも真実はどうなのか、確認はしていません。何となく「6月に決めるものなのだ」と思い込んでいたからです。しかし学校が必要とする教科書の冊数(数Ⅲは78冊、とか)をはっきりさせなければならない期限が早いのは確かです。何にせよ、2年生の勉強が始まったばかりの時期に来年度の選択を決めなければならない。こういうのを無理というのです。でもずっと変わらず、このまま。何十年も続いているのかも知れません。ヘンな話です。いやヘンだけならいいけれど、選択科目なんて、ことによると一生を左右する可能性があるのに。どこがどうなったらこういうことになるのか、本当にこれでいいのか、ちゃんと考えなくていいんでしょうか……。

 すぐに「早くから考えておかなければならないことなのだ」とか言い出す人がでてきます。勉強したこと、あるのかな。例えば数Ⅲなど、そのまま大学の勉強につながる内容で、程度の高い部分もあるのです。やってみて初めて、大丈夫そうか無理そうか、分かることだってあるでしょう……。それを2年生の6月が期限なのですよ……。