いぬおさんのおもしろ数学実験室

おいしい紅茶でも飲みながら数学、物理、工学、プログラミング、そして読書を楽しみましょう

生徒同士の対話が大事、って……

 TVの番組、本、新聞、……何を見てももう授業は「生徒同士の対話が大事!」ばかりです。せっかく勉強してきた人たちも、勉強してきたこともどうやって勉強してきたのかも忘れ果ててるんじゃないか……? それとも本当に、本気なんでしょうか。凄いなあ、と思います。

 勉強って何なんですか。本に書いてあること(とか、人が話したことなど)を自分の力で理解して、頭の中を整理して、自分で使えるようにして、……なのですよ。300時間そういう勉強をしたら、その後1,2時間、他人とそれについて議論するのは素晴らしい。人に話すときには自分の頭の中が整理されていなければなりません。無理矢理でも(話す過程で、とか)整理することになります。次の勉強にもつながるし、自分が気づかなかった、理屈や知識のおかしな点に気づくこともできます。いろんな意見も聞けて様々な面からモチベーションも上がる。自分はまだまだだと分かったり、自信を持てたり、よいことがたくさんあると思います。しかし、どうですか? 今強調されているのは「とにかく授業は生徒同士の対話!!!」ばかり。いつからこうなってしまったんでしょうか。

 短い時間でいいことをたくさん教えなければならない授業で、どうして対話?? そんなことやってるヒマ、ないはずです。教員は専門分野については生徒とは比較にならないくらい投資しています。時間もお金もエネルギーも。そういう教員がいいことを教える、これが授業というものでしょう。授業100時間のうちの1時間くらいはいいでしょうが、「生徒同士の対話が大事」とおっしゃる方々はそういうことではないらしい……。

 学校を挙げて、県を挙げて、市を挙げて、……みたいな部分もありそうです。何回か書きましたが教員の公の研修でもアクティブラーニングなどが盛んです。こうなるともうこの流れ、どうにもなりません。自分だけはちゃんとやっていよう、ということで納得しています。特に若い人たちが流行に乗ってアクティブラーニングに時間を使っているのは気の毒な気がしますが、仕方ありません。

 さて、勉強しよ……。