前、電卓で3乗根を求める方法を説明しました。
今回は5乗根の話です。例えば32の5乗根というのは5乗して32になる数で、2です(実数の範囲では2だけ。複素数の範囲では2を含め、5つあります)。では10の5乗根は? 5乗して10になる数です。2だと4乗で16ですから大きすぎ。5乗根は1.××××……という数ですね。これを電卓で求める方法を紹介しましょう。上の記事を参考にして、同様の方法で5乗根を求めます。次の式が成立すればxはaの5乗根です。式変形しましょう。
①が成立すればxはaの5乗根になります。これを利用してルートキーで10の5乗根を次のように求められます。電卓を操作してください。最初の近似値としてx=1とし、a = 10 で計算します。①の左辺を計算し、その結果を再び左辺のxに入れて計算し、その結果をまた左辺のxに代入して計算し、……と繰り返して、値が安定したらそれを10の5乗根と考えます。
10√√√= 1.333521432
×10=√×1.333521432=√√ 1.485508017
×10=√×1.485508017=√√ 1.546867536
×10=√×1.546867536=√√ 1.570525245
×10=√×1.570525245=√√ 1.579489873
×10=√×1.579489873=√√ 1.582864785
×10=√×1.582864785=√√ 1.584132235
×10=√×1.584132235=√√ 1.584607791
×10=√×1.584607791=√√ 1.584786161
×10=√×1.584786161=√√ 1.584853055(値が安定してきた)
×10=√×1.584853055=√√ 1.584878141
×10=√×1.584878141=√√ 1.584887548
×10=√×1.584887548=√√ 1.584891076
これを5乗すると9.999933224です。頑張った割りにはイマイチ収束が遅くてちょっとアレですが……。一応5乗根が求まりました!!
ぼくの電卓には「Ans」キーというのがあります。直前の計算結果が格納された変数です。同じ値を何度も入力するのは手間ですが、こうして計算機のメモリを使えばラクになります。
厳密には数列の収束を確認しなければなりませんが、興味のある人は調べてみてください!