いぬおさんのおもしろ数学実験室

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授業で「スペースマウンテンは何台走っているか」説明しました

 ディズニーランドのスペースマウンテン、あれはいったいドームの中で何台走っているのか。次の記事を始めとして、何回かブログで書いています。今回は、実際にどうやって授業で取り上げるのか、雰囲気をお伝えします。 

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 生徒が教科書の授業に飽きた頃でも話してあげればいいでしょう。毎回のことではないですから、たまには10分くらいの遊びも入れないと! 生徒の反応は面白いです。女生徒は特にディズニーランド好きですから(?)、スペースマウンテンの話を始めただけで「おっ」という感じになります。「スペースマウンテン、乗ったことある人、どのくらいいるかな?」と聞くと8割か9割くらいが手を挙げます。「暗闇の中で走るから、何かが顔に当たらないか、そういう怖さがありますよね」と言うとそうそう、という顔の子も。「あのスペースマウンテン、何台が走っていると思う?」と聞くと10台、20台、……といった返事です。「台数なんて考えたこともなかったでしょ。だけどぼくは数えました!」で「(少し笑って)何なの、この人!?」という感じです。

 あの乗り物は2両でひと組になっています(知らない子も多いです)。これを1台と呼びましょう。ドームの中で何台が走っているか。いや、駅で止まっているのもあるかも知れないので、何台稼働しているか、ということです。まず、1周にかかる時間を求めます。これは簡単。自分が車両に乗って、動き始めてから1周して止まり、降りて、次の客が乗ってまた動き始めるまでの時間を時計で測ればよいのです。要するに「厳密に1周にかかる時間」ということです。これをT秒だとします。次に平均的な発車時間間隔を求めます。例えば1分間に10台発車していることが分かれば平均的な発車時間間隔は60÷10=6秒です。これをd秒だとします。このとき、求める総台数はT/dです。ここまでは計算の仕方だけを説明したもの。「どうしてこれで計算できるの?」ということになります。

 「だいたいの理屈ならこんな感じです」と話して、説明を続けます。自分が1周している間、スペースマウンテンは何台も出発している。そうしたらその1周の時間を発車時間間隔で割れば総台数が分かる。まあこれで納得するかも知れません。そうでなければさらに、例えば1周が60秒だとして、15秒ごとに発車しているとしたら60÷15=4台走っているでしょ、と言うと「ウン、ウン」。最後にぼくはもう少し詳しく書いたプリントも配布します。

 

 教科書の内容ばかり説明する、という授業もあるでしょう。「あの先生は教科書ばかり淡々とやってるよね」でもよいのです。でもそれだとぼく自身が面白くありません。1時間に1つか2つくらいは何かちょっと違う話をすることにしています。考えてみれば、ぼくたちだって先生のそういう話を覚えているものですよね……。教えることになっている情報をきちんと伝える……というのがぼくたちの仕事のはずではありますが、まあ堅苦しく考えることもないでしょう。楽しくやればよろしい。