いぬおさんのおもしろ数学実験室

おいしい紅茶でも飲みながら数学、物理、工学、プログラミング、そして読書を楽しみましょう

『図の斜線部』は必要か?

 高校の数学Ⅱの領域の問題では、領域は斜線を引いて表すことになっています。そうしないと先生が「斜線を引いて『図の斜線部』と書かないとダメ」とか注意します。しかしですね……。

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 領域に斜線を引いたら、そこが答えに決まっていると思うんですが……。それでも「いや、決まっていない。ハッキリさせる必要がある」という人はいるかも知れません。そこまで言うなら……「斜線」というのは「斜めの線」なのであって、下の図で言えばAの部分のみを示す言葉ですよ……。

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 いや、「図の斜線部」というセリフは書かないとどこで文句がつくか分からないし、試験だと減点されるかも知れないし書かないと確かにまずいのです。しかしこんなことは数学の本質とは何の関係もありません。それを「書かないのは誤りだ!」などと言うからヘンな話になるのです。せいぜい「書かないと減点されるから書いておいてください」くらいまででしょう……。

 もうひとつ。「『3角形』はダメ。『三角形』が正しい!」と言われることがあります。これまた数学の本質とは関係ありません。そこでぼくは「じゃあ……」と尋ねます。

「じゃあ『4角形』をどう書くんですか?」

「四角形」

「じゃあ『5角形』は?」

「五角形」

「『8角形』は?」

八角形」

「『12角形』では?」

「十二角形」

「じゃあ『128角形』は?」

「うーん、それは128角形……」

「統一されてませんよね。しなけりゃいけないと言うことはないけど。例えば『n角形の内角の和は180(n-2)°』という定理がありますが、nに何を代入するんですか? 3角形なら『n=三』、128角形なら『n=百二十八』とか代入するんですか?」

「………」

まあ、半分冗談みたいなもので、どっちで書こうが構いません。しかしこれを「漢数字で書かないとダメなのだ!」とか言い出すからおかしな話になるのです。