いぬおさんのおもしろ数学実験室

おいしい紅茶でも飲みながら数学、物理、工学、プログラミング、そして読書を楽しみましょう

スペースマウンテンは何台走っているか(2)

 以前、スペースマウンテンの台数について書きました。 

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車両がスタートし、コースを回って止まり、またスタートするまでの時間をT(秒)とし、車両が出発する時間間隔を(平均的に)d秒としたとき、ドーム内に存在する(稼働している)車両はT/d台だということを説明しました。同じことなのですが、もう少し直観的に解説してみます。

 スペースマウンテンは2両がつながって動いています。説明の都合でこれを1台と数えることにします。何台あるかは分かりませんが、自分が乗った車両がT秒でちょうど1周するなら、まあどれもこれもT秒で1周と考えてよいでしょう。これは、言い換えると「どの車両もこのT秒の間に必ず1回だけ、駅のスタートラインを横切る」ということです。もちろんいつ横切るのかはバラバラですが2、3分も観察していれば、車両の発車間隔d秒(d秒毎に1台ずつ発車)は測定できるでしょう。T秒間で全ての車両が1周し、その間、d秒経つ毎に新しい車両が出発します。そしてそのT秒の間に全ての車両がスタートラインを横切るのです。……となると、T/dで台数が計算できるのは明らかでしょう。

 コロナもあってここのところディズニーランドには行っていません。今度行ったときにまた数えてみようと思います。前に計算したときにはT=180秒、d=8秒だったので割り算してT/d=22.5台。夜、スペースマウンテンが止まっていて灯りでもつければ数えられますが、そうもいきません。計算で答えを出すのです。これはカリブの海賊でもスプラッシュマウンテンでもビッグサンダーマウンテンでも通用します。

 数学を学校で勉強する目的とか、教員採用試験なんかの前に本など読んで自分の中で整理したりしますよね。分析・総合の力を養うとか、論理的な思考力を×××とか、理屈はついているみたいですが、あんまり教科は関係ない気がします。文系科目の先生でも論理的に考えて話して……という人はたくさんいますし、数学の教員が会議を混乱させていることだってあります。ただ、少なくとも物事を理詰めに考えることは場合によっては大事だと思いますし、何かをきっちり考えるトレーニングにはなっている気はします。数学そのものが生活で何か役に立つ、と理屈を無理矢理つけることもできますが、まあ「無理矢理」でしょう。ヘンなことを言い出すとおかしなことになります。もちろん応用がメチャクチャ広いことはこのブログで書いているとおりで身にしみていますが。