古代ギリシアで、エラトステネスは地球の周を測りました。夏至の日の正午、シエネでは深い井戸の底に日が差すのだそうです。図を参照してください。
同じ日の同じ時刻にシエネから当時の距離の単位でa=5000スタディア離れたアレクサンドリアではθ=7.2°であったそうです。シエネとアレクサンドリアは同じ子午線上にあります(子午線:北極、南極を通る大円)。太陽はずっと遠いところにあるので、太陽からは平行な光の束が来ると考えてよいことに注意しておきましょう。この事実から彼は地球の全周を求めたのだそうです(恐らく全周をxとおき、a:x=7.2°:360° という比例式から)。Wikipediaにも載っています。古い話ですし、「スタディア」という距離の単位についてやその他、いろいろ説があるようです。この際それはおきましょう。事実から理性で考えて新しい事実を導く。すごいなあ、と思います。2000年も前の人ですよ!?
余談ですが……数学の問題を見ます。解き方が分からないことなんて結構ありますよね。ぼくは時間がもったいないと思うのですぐ答えを見ます。しかし例えば「数学ができる学生の8割はすぐに答えを見ない。だから数学ができるようになるためには答えをすぐには見ないのがよい!」といった主張をする人がいるのです。いや、その程度の議論でいいんなら、ビールの売上げを増やす方法があります。日本では毎年ある時季、海水浴やプールに行く人が大勢現れます。なぜかその頃はビールの売れ行きが増えます。売り上げを増やすにはみんなを泳ぎに行かせればよいのですね!!
エラトステネスとのあまりの違いについて考えざるを得ません……。