いぬおさんのおもしろ数学実験室

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『特命リサーチ200x』で「ノストラダムスの大予言」を解説

 『特命リサーチ200x』という番組がありました。20年以上前です。「クライアントから寄せられるさまざまな難問を、民間調査機関、ファー・イースト・リサーチ社(極東リサーチ株式会社)が独自の調査方法によって即座に解決してゆく」という設定です。エージェント役で菅野美穂稲垣吾郎なんかも出ていました。すごく面白い番組で楽しみにしていました。そこで取り上げられた話です。

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  ノストラダムスの大予言というのがあります。ノストラダムスは1503年12月14日、フランスで生まれました。医師でしたが、晩年は占い師としての活動の方が多かったそうです。日本で『諸世紀』と呼ばれている本を残し(今見たらAmazonでも売ってる)、これは予言の書ということになっています。ぼくが高校生の頃、『ノストラダムスの大予言』という本がベストセラーになっていました。予言はすべて4行ずつの詩になっています(この辺もまた雰囲気出してるなあ……)。中に1999年に大変なことが起こりそうな予言が含まれていて、それは次のようなもの。もとはもちろん古いフランス語で書かれています。従って訳です。騒ぎになっていたし、多分皆さんもこんな感じの詩をどこかで見たか聞いたかしたことがあるのではないでしょうか。
「1999年、7の月 空から恐怖の大王が降ってくる。アンゴルモアの大王を復活させるために その前後の期間、マルスは幸福の名の下に支配にのりだすだろう
核戦争を意味しているんだとか、いろんなことをいろんな人が言っていました。しかしその予言の1年くらい前(?)、『特命リサーチ200x』では専門家(予言の専門家ではなく、語学か歴史か、その辺の専門家だった……)が出てきて「きちんと訳せば次のようになる」と説明していました。
1999年 多分3月まで7ヶ月の間 空から金遣(づか)いの荒い大王が現れる フランソワ1世のような王様をよみがえらせ、運良く支配するために
当時の状況から、金遣いの荒い大王というのはカール5世を意味しており、膨大な戦費を費やして民衆を苦しめた2人の国王を風刺した詩だと考えられる、ということでした。そして1999年というのは単にフランス4行詩の音韻(おんいん)の決まりに従って入れただけなのではないか、とも説明していました(聞いた感じがいいとか、韻を踏んでいるとか、ってこと)。全然違うじゃないか~!!! さらにノストラダムスは当時、生活に役立つ情報を載せた雑誌に記事を書くなど、いわゆる流行作家だったのだそうです。そういう人が書いた予言の書なんですね……。いや、本人は「予言の書だ」とは言ってないのかも知れませんが。