いぬおさんのおもしろ数学実験室

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大学入学共通テストで記述問題の導入見送り……

 大学入学共通テストに記述問題も入れる、という話がありましたが、見送りになったそう。とりあえず安心です。高校で数学の定期試験などで1クラス40人、8クラスを3人で採点する、というのはごく普通です。でも、この規模でも記述問題で採点基準を決めて公平に採点するのは結構大変なのです。一回でも採点したことのある人には分かることです。様々な答案が出てきます。曖昧な書き方の答えもある。3人の意見が合わないことだってあります。「それ、数学的にヘンでしょ……」みたいに思っても言いづらかったり、面倒なことも。それにそもそも今回のこの共通テスト、何人で採点しようとしていたんでしょうか。みんなを1カ所に集めて採点、なんて物理的に無理ですし(しかもコロナ……)、それでも意見を調整しなければなりません。しかも受験の期間は限られています。短い時間に正確に採点することが必要です。特に大学受験など、そのままストレートに進路に関わります。何かあったときの責任を誰がどう取るのでしょうか。この前のセンター試験、何人志願したんだろ……と思って調べたら55万人以上。記述問題にして採点して、なんてよく思いついたなあ、という印象です。こうなるともう、推進している人たちはファンタジーの世界にでも生きているとしか思えません。それとも、採点したことなくて大変さや面倒くささを知らないのかな……? 

 意見のあるところでしょうが、一部の人たちは「記述問題=実力を測れる」と思い込んでいるような気がします。……と言うか「当たり前でしょ」が多いかも。ぼくは必ずしもそうではないと思いますが、まあ分かりません。しかしこれほど不都合がハッキリしていてなお1次試験に記述問題を入れるには、相応の理由が必要です。2次試験で記述問題を使う大学だってあるわけで、それなら人数も絞れます。今まではそうしていたのです。

 今の高校3年生は災難です。昨年度の英検のドタバタ、共通テストもコロコロ方針が変わる。しっかりした計画を立ててから動いて欲しいと思います。みんな、やらなければならないことがたくさんあるのです。忙しいんですよ。