いぬおさんのおもしろ数学実験室

おいしい紅茶でも飲みながら数学、物理、工学、プログラミング、そして読書を楽しみましょう

オイラーの定数とは

 オイラーの定数について書きます。

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上の図で、x=1からx=nまでの、x軸とy=1/xのグラフで囲まれた部分の面積は

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で、黄色い部分の面積(短冊n-1本の面積)は

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です。短冊の和の方が面積は小さいので

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が成立します。

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同様の比較で

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が言え、この2つの不等式から

f:id:Inuosann:20200618204744p:plain……(★)

を得ます。ただしn≧2です。

今、

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とおけば

f:id:Inuosann:20200618210343p:plain……(★★)

です。

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上の図で面積を比較して、(曲線図形GHEF)-(曲線図形GHCA)>(長方形ABEF)が分かります。式では

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となり、これを(★★)に用いて

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を得ます。すなわち、この数列は単調減少です。

また、★から

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が言えます。これはこの数列がどの項も正であることを示しています。

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この数列の極限値オイラーの定数と言います。定義も易しく、収束の証明も特に難しいということはありません。しかし不思議なことにオイラーの定数は有理数無理数かすら分かっていないとのこと。数学には未解決の問題がたくさんあります!!