いぬおさんのおもしろ数学実験室

おいしい紅茶でも飲みながら数学、物理、工学、プログラミング、そして読書を楽しみましょう

教育界が迷走している!

 コロナ騒ぎで学校ではまともに授業が進んでいません。緊急事態宣言も解除され、ぼちぼち始まる感じです。ステイホームと言ってもやはりペストによる「創造的休暇」の最中に大きな仕事をしてしまったニュートンとは違います。ぼくは勉強はしたけれどファミレスあたりに出かけた方が能率が上がる方で、せっかくの数ヶ月ですがイマイチ……。悔しいです。生徒に「休みの間は何してた?」と聞くと「寝てました」とか「ゲーム」。こうした中でも入試の日程は変わらず。心配ですね。

 コロナによる予定の変更などは仕方ありません。どうしたらよりよい、とはっきりしない部分もあります。それはおくとしても、ぼくには最近どうも教育界が迷走しているように見えます。昨年度のSCBTの騒ぎは一体何だったのでしょうか。学校も生徒もたくさんの時間を費やして対応に追われ、ドタバタでひどい目に遭いました。最後、「ナシです、ナシ」……って一体……。大変でしたが、その前にどうもここのところ「とにかく英語を話せなければダメだ!」というのが英語教育の人たちの中にあるらしい。英会話、できればこれは素晴らしいのです。しかし重点の置き具合がおかしい。抽象的なことを書いている英文を読んで要約できることの方がはるかに大事だと思いますが。念のため、英語の先生に聞いてみました。「最近の英語教育は『聴く、話す、プレゼン』ばっかりではないですか?」と。英語の先生の答えは「その通りで、よくないと思う」でした。おかしいと思っている人もいるのですね。SCBTは「聴く、話す」の流れで出てきたものなのでしょう?

 教員の研修の話を前、書きました。 

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「生徒の目がキラキラ輝く」とかばかり考えていないで、そんな時間があるなら教員自身がもっと勉強した方がいいと思います。勉強は、美味しいものを食べて「幸せだ」というのとはわけが違います。楽しいことばかりではないのです。どんな勉強だって、淡々と事実をしっかり頭に入れなければならない部分もあれば、全然理解できなくて耐えるしかないこともあります。しかしそういう辛さも全部ひっくるめたものが勉強なのではないですか?  それを超えて「こういう面白さがある」と伝えるのは大変大事なことだと思います。

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それを無視しているのか気づかないのか、最近は「楽しい授業を!」ばっかり。どこから出てきたのか知りませんが、流行りのアクティブラーニングとか。生徒が目を輝かせて議論したって絶対に出てこない結論がいくらでもあります。「甘っちょろい」のひと言です。教員が勉強しなければダメでしょう。生徒も、「転ばずに自転車に乗れるようになりたい」みたいなもの。多少怪我もして、それでようやくなんとかなるのではないですか?

 どの辺からこんな風になってしまったのか。情けなく思います。