いぬおさんのおもしろ数学実験室

おいしい紅茶でも飲みながら数学、物理、工学、プログラミング、そして読書を楽しみましょう

遠心力、コリオリの力とは何か(1)

 コリオリの力が物理の本に出てくるたびに「あれ? どういうやつだったっけ?」と参考書をひっくり返しているので、短くまとめておこうと思います。コリオリの力は高校の物理では出てきません。せいぜい名前くらいでしょう。「台風の何かと関係ありそうだ」くらいは分かっていますが、ちゃんと説明するには以下のように座標の変換を考えなければなりません。

 2つの座標系があります。図のxy系とx’y’系です。xy系は止まっており、x’y’系はxy系に対して角速度ωで回転しています。今、ある点はxy系で座標が (x, y) だったとし、x’y’系で測ると(x’y’系で座標を読むと)(x', y') だとします。以下、導関数の計算はかなり省略してしまいます。

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このとき下の①が成立します。回転の行列をかければよいのですね。右辺を計算してみると②のようになります。

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①は、xy系、x’y’系の間で特に座標に限らないベクトルの成分について成立する式であることに注意しましょう。②の両辺をtで微分すれば④が得られます。文字の上の「・」は時間で微分することを表します。2回微分するときは文字の上に「・」を2つ並べます。

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 ③は、xy系で止まっている人が、回る円板x’y’系に乗っている人の速度を測ったものです(x、yをtで微分しているのだから!)。同様に⑤は、xy系で止まっている人が、回る円板x’y’系に乗っている人の加速度を測ったものです。

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のとき、xy系のベクトルはx’y’系ではp’ なのでしたから、次が言えます。

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                     …………(★)

さて、詰めです。

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最後の式の一番左の辺は、x’y’系に乗っている人が観測する加速度(自分が感じる加速度)です。一番右の辺を見てください。★によれば1項目はxy系から見た加速度です。2項目はx’y’系に対する速度の成分から計算される量、3項目はx’y’系の座標によって決まる量です。次回に2項目、3項目を解釈します。

 記号の決め方、計算などは『力学 キャンパス・ゼミ(馬場敬之、高杉豊2007マセマ出版社)』によります。分かりやすく、楽しく読める参考書だと思います。改訂版も出ています。

スバラシク実力がつくと評判の力学キャンパス・ゼミ

スバラシク実力がつくと評判の力学キャンパス・ゼミ

  • 作者:馬場 敬之,高杉 豊
  • 出版社/メーカー: マセマ出版社
  • 発売日: 2007/10
  • メディア: 単行本