いぬおさんのおもしろ数学実験室

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『文豪たちの怪しい宴』紹介

 『文豪たちの怪しい宴』(鯨統一郎2019創元推理文庫)を紹介します。正月休みで少し余裕ができたので、文庫本を3冊ばかり買ってきました。同じ著者の『邪馬台国はどこですか?』も面白かったけれどこちらもよかったです。

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前は歴史談義でした。今回は文学談義。バー「スリーバレー」でまた宮田さんが新しい若い女バーテンダーのミサキ、そして文学研究の大家、曽根原先生と「こころ」「走れメロス」「銀河鉄道の夜」「藪の中」をテーマに議論します。相変わらずお酒もつまみも美味しそうです。さらにミサキさんも加わって華やかです。ぼくは文学作品はほとんど読みませんが、それでも楽しめました。個人的には「銀河鉄道の夜」、「藪の中」の話がよかったです。「銀河鉄道の夜」はジョバンニ少年が銀河鉄道に乗って星空の旅をする物語です。宮田さんは「『銀河鉄道の夜』は父親に対する手紙なのだ」ということを論証します。もちろん数学の証明などとは違いますが、一定の説得力があります。がんばれば別の作品で自分にも何か新説を唱えることができるかも……という気もしてきます。 

文豪たちの怪しい宴 (創元推理文庫)

文豪たちの怪しい宴 (創元推理文庫)

 

  休みで勉強できてうれしいんですが、1日に5、6時間も集中するともう気力が萎えてしまいます。そういうときには少し寝てこういった肩の凝らない本を読むのがいい感じです。