いぬおさんのおもしろ数学実験室

おいしい紅茶でも飲みながら数学、物理、工学、プログラミング、そして読書を楽しみましょう

教員はクラスの平均点を上げた方がいいのか

 公立高校でもやたら平均点にこだわる人がいて驚いたことがあります。いや、私立だとどうか、はっきりは知らないんですが。聞いた話では私立の学校で週番の先生が窓を閉め忘れ、雨が吹き込んでしまって減俸になったとか。多分公立高校では(管理職に怒られるかも知れませんが)そこまではないと思います。「私立はやっぱり厳しいな……」と思った覚えが。そうすると……私立だと平均点が下がるとやはり大変なのかも、と想像してしまいます。

 教員になったばかりの頃、担当クラスの平均点がかなり低くて「ヤバイ」と思っていたら先輩の先生に「そんなこと気にする必要はない」と言われました。「上げたければ何回も対策の試験をやらせればいい」とも言われました。以来、気にしないようにしています。対策の試験はやりませんが、最近は復習を促すために小テストは割と受けさせます。平均点を上げるため……というわけではありません。

 最近はあまり気にもなりませんが、そんなことじゃないよな……と思います。つまり、平均点を上げるのが正しいとか、そういう教員が偉いとかでもない、ということです。若い人たちに何か教える、せっかくの機会なのです。何かいいことを教えてあげればいいでしょう。ちなみにぼくがここ何年かで実施した長期休業中の補習は(赤点の補習は別として)「万年カレンダーを作る」、「60°の角は3等分できないことの高校生向け証明」、「RSA暗号とは何か」、「おもしろ数学10話」です。自分自身が高校時代から大学生の頃勉強して面白いと思った話から選んで高校生向けに解説しました。生徒の反応も楽しみでしたが、それよりも周りの教員がどういう反応をするかの方をさらに楽しみにしていました。が、意外にほとんどナシ。英語の先生が「面白そう、私も聞きに行こうかな」と言ってたくらいです。ぼくなら「えー、どういう補習なんですか!?」と騒ぐところ。まったく気にしていないのか、「アイツはまた意味不明なことをやってる」くらいの感覚なのか分かりませんが。

 教員は(生徒も)「平均点、平均点!」と騒ぎます。でも、そもそも前に書いたとおりで統計的に意味のある差なのかなど、検討している人は見たことがありません。www.omoshiro-suugaku.com

そんなもので右往左往していないで、教員は「平均点」以外の、授業の善し悪しを判断する基準を持てばいいでしょう。

 特に若い先生。勉強してきたことを活かしてください。