いぬおさんのおもしろ数学実験室

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映画『八甲田山』紹介

 映画『八甲田山』を紹介します。主演は高倉健、古い日本の映画です。原作は『八甲田山死の彷徨』(新田次郎1978新潮文庫) 。日露戦争前、1902年(明治35年)に軍隊のふたつの部隊が雪中行軍の演習中に遭難し、199名が死亡した事件(八甲田雪中行軍遭難事件。実話です)が題材になっています。20年以上前にもTVで見たのですが、すごい映画です。高倉健演じる徳島大尉が率いる部隊が全員助かり(弘前(ひろさき)第三十一連隊)、もう一方の部隊がほぼ全滅(青森第五連隊)。地元の道案内人を雇わないなどの判断ミス、その他雪山の知識がなかったなど、リーダーの責任が大きかったと思います。この映画は、リーダーとは何か、どうあるべきかとか、人間が吹雪の雪山という極限状態でどうなるのかとか、組織とは何かとか、いろいろなことがテーマになっています。芥川也寸志の哀切極まりないテーマ曲も素晴らしかったです。
 助かった弘前第三十一連隊は地元の道案内人の女の子(10代後半)のおかげで無事に吹雪の難所を通過でき、徳島大尉は隊の皆に女の子に向かって敬礼させます。軍人だろうが地元の娘だろうが関係ない、きちんとした知識・技術の持ち主には礼を尽くすのだ、という場面です。こういうことをできる上司(と言うか、人間)は信頼できます。ぼくはここが一番良かったと思いました。しかしこの辺、残念ながらフィクションだとか……。 

八甲田山 完全版 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: スバック
  • 発売日: 2000/02/19
  • メディア: DVD
 
八甲田山死の彷徨 (新潮文庫)

八甲田山死の彷徨 (新潮文庫)

  • 作者:新田 次郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1978/02/01
  • メディア: 文庫