関数y=|x-1|+|x-2|+|x-3|+|x-4|+|x-5|+|x-6|の最小値を求めます。x<1のとき、1≦x<2のとき、2≦x<3のとき、……と細かく場合を分ければよいですが、ここではもっと直観的な方法で考えましょう。
そもそもこの関数のグラフは、場合分けをした後のことを考えれば明らかですが直線(線分)を組み合わせたものです。それはそうです。各項は絶対値記号を外せばx-aの形か、ーx+aの形になるからです。しかも、このグラフは途切れているところはないことにも注意しましょう。例えばx=3の前後で場合分けの仕方は変わります(x-3<0からx-3≧0に変化するから)。x=2.9、2.95、2.99、……、x=3、x=3.001、x=3.004、……と少しずつ変化させることを考えれば分かりますがこの関数はx=3で連続(途切れていない)です。さて、x<1の部分ではグラフの傾きは-6です。6個の絶対値記号は符号を変えて外されるからです。1≦x<2の部分では傾き-4です。1項目の絶対値記号だけがそのまま外れ、他は符号が変わって外れるからです(傾きは-5ではありません!)。こうして、x=1,2,3,………を継ぎ目として、傾きが-6,-4,-2,0,2,4,6と変化することが分かります。xの範囲はそれぞれ、x<1,1≦x<2,2≦x<3,3≦x<4,4≦x<5,5≦x<6,6≦xです。従って、最小値は3≦x≦4のときで(x=4を含むことに注意)、関数にx=3を代入すればy=|3-1|+|3-2|+|3-3|+|3-4|+|3-5|+|3-6|=2+1+0+1+2+3=12です。
なお、項が偶数個なので真ん中では傾き0になっています。奇数個なら真ん中あたりはV字型になります。
では今回はこの辺で!