いぬおさんのおもしろ数学実験室

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銀河鉄道999「蛍の街」紹介

 西暦2221年、宇宙の星の間を銀河鉄道と呼ばれる列車が走るようになっていました。裕福な人々は生身の体を機械の体に換え、永遠の命を手に入れます。主人公の少年、星野鉄郎は、機械化人に殺された母親の望みでもあり、自分も機械の体を手に入れたいと願っています。そこへ謎の美女メーテルが現れ、無料で機械の体をもらえる星までの銀河鉄道の定期券を鉄郎に渡し、「代わりに自分も一緒に連れて行って」と言います。その星はアンドロメダ星雲にあります。ずいぶん危ない目にも遭いますが鉄郎はメーテルとともにその星までたどり着きます。
 松本零士原作、『銀河鉄道999』(スリーナイン)です。アニメは多分全話見ていると思います。出色と言える話もいくつかあり、今回はそのうちのひとつ、「蛍の街」の紹介です。
 人間の価値が生まれながらの体の輝き具合で決まり、きれいに光らない体の人はよい仕事に就けない、きれいに光る人が威張り散らしている、そんな星に999が立ち寄ります。鉄郎はそこでアニメの演出家を志望する若い女性、フライヤと知り合います。フライヤは体があまり光らず、貧乏暮らしをしながら絵コンテを描いています。フライヤは鉄郎に「絵コンテを買って欲しい」と頼み、読んで感動した鉄郎は買うことにします。そしてお別れ、999が出発するとき見送りに来たフライヤを、体がきれいに光る男が「お前のような体が光らない人間はこんなところに来るな!」と言って殴ります。それを見た鉄郎は「決着をつける」と銃を抜きますが、男はだらしなく逃げようとします。メーテルは男に「立派なマスクも高い身長も無法の宇宙では邪魔になるだけ。必要なのは勇気と誠実さに支えられた実力よ」と言うのです。
 舞台は宇宙ですが、要するにこれ、地球です。松本先生はそういうことを言いたいのでしょう。見かけで他人をバカにしたり見下したり、そんなことが世の中にはいくらでもあります。それは間違いだ、ということなんですね。
 名言もたくさんちりばめられているし、他にも面白い話はいくらもあるんですが、実は科学的な考証でどうかと思うこともあります。例えば、地球からアンドロメダ星雲まで200万光年ありますが、この銀河鉄道、列車が走るためのチューブのようなものが宇宙空間に敷設されているらしいのです。光の速さで200万年かかる距離ですから、工事の困難さは想像を絶します。それとも、科学が極端に発達していて量子力学的な効果を応用するなど、現代の科学からは考えられないような方法があるのかも知れません。全ての箇所で同時に並行して物質を充填する……とか(ぼくの適当な想像)。何十年も前のアニメですし無理もない部分はあるでしょう。しかしそんなことはどうでもよいのですね。本質を見失ってはいけません。