いぬおさんのおもしろ数学実験室

おいしい紅茶でも飲みながら数学、物理、工学、プログラミング、そして読書を楽しみましょう

ビエトの数学記号

 数学の本を開くと、Σ、∫、f(x)、………といくらでも記号が現れます。意味がパッと伝わるように、間違えにくいように、簡潔に表現できるように使われるのです。しかし数学の記号のありがたみを分かっていない人も多いと思います。なにしろ生まれたときから数学の記号に囲まれていて、空気みたいなものだからです。
 フランソワ・ビエト(François Viète、1540年 - 1603年2月13日)は16世紀のフランスの法律家、数学者です。ビエトは初めて「既知数の記号化」を行ったそうです(Wikipedia)。彼の記号法では
f:id:Inuosann:20190814075018p:plain

f:id:Inuosann:20190814074857p:plain

と表現されるそうです。少し前ネットで見つけました(さっき見てみたら記録しておいたリンクが切れていて、サイトが見つかりません)。いやー、確かに情報は正確に伝わるだろうけど、これを使って式変形するには相当な集中力が必要でしょう……。まだ洗練されておらず、現代のぼくたちの目で見ると使いづらいことは確かです。しかしそもそも当時、人々には「記号で表そう」という発想すらなかったわけで、とにかく記号化した、それだけでも賞賛に価するでしょう。

 それにしても現代の記号のなんと使いやすいことか。分かりやすく無駄もない、先人たちの努力の賜(たまもの)です。昔の「数学が分かる」には、こんな式を自由に使う能力も含まれているんですね。