いぬおさんのおもしろ数学実験室

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コナン君の蝶ネクタイ型変声機の原理

 アニメ『名探偵コナン』の主人公、コナン君の蝶ネクタイはただの蝶ネクタイではありません。「蝶ネクタイ型変声機」ということになっています。彼は自分の推理を披露する際によく「腕時計型麻酔銃」で毛利探偵を眠らせ、自分の声を変声機で毛利探偵の声に変えてあたかも毛利探偵がしゃべっているように見せかけています。どちらもコナン君の家の隣に住んでいる阿笠博士の発明品です。あの性能、サイズ。阿笠博士は天才です……。

 ぼくは「実際にしゃべっているコナン君の声と変声機から出た毛利探偵の声が重なって聞こえてしまうのでは?」……と心配していますが、TVから流れてくる声は毛利探偵1人分ですし、登場人物たちも何も感じていないようです。どうなっているのか? 一応、以下のようではないかと考えられます。

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 グラフのAはコナン君の声の波形、Bはそれを横軸(時間軸)に関して対称に移動したもの(平たく言えば上下を反転したもの)、Cは毛利探偵の声です(グラフの式は適当に決めました。実際の声とは異なる波形です)。5x+(-5x)=0と同じで、横軸に関して対称移動したグラフの式同士を加えれば0になりますからA+B=0です(「A+B」は、2つの声の波形の式を加える意味に使いました)。これを利用します。変声機はB+Cの声を出すのです。そうすれば、(コナン君の声)+(変声機の声)=A+(B+C)=(A+B)+C=0+C=C が聞こえることになり、つまり毛利探偵の声だけになるのです! 変声機はコナン君の声を反転した声と毛利探偵の声を出す。これにコナン君の声が混ざれば毛利探偵の声だけが残る、ということです。なお、B+Cだけを人間が聞くと2種類の声が聞こえるはずです。Bと、毛利探偵の声です。反転した声ですから、Bがどんな感じに聞こえるのかは分かりません。いずれ試してみます。

 実際にこういう変声機を作るには、人間が話しているときリアルタイムに反転した声を作ったり毛利探偵の声を合成したりしなければなりません。wavファイル(音声ファイル)などを使うならできるけれど、リアルタイムで……となるとどうしたらいいのか、ちょっと分かりません。そういう機械があるのかも。