今この瞬間、飛んでいる飛行機は何機あるのでしょうか。この手の疑問、「分かりっこない」とか「分かっても何にもならない」とか切り捨てることは簡単です。前、ネットで「飛行機は全機着陸できるのでしょうか」(ある程度の割合が飛んでいる前提で着陸スペースが用意されているのだろうか?)と質問している人もいました。実はこの手の疑問、ぼくはしょっちゅう頭に浮かんでいます。
「科学的」とはどういうことか。どっち道、ちゃんとした定義などないでしょう。ぼくは、分かっていることといないことを明らかにして、分かっている事実から『その先、ここまでは○○という根拠から××であることが予想できる』のように理詰めで考える、そういう姿勢を言うのだと思います。物理の問題が解ける、公式を憶えている、原子量を暗記している、……そういうことではないのですね。世の中、分からないことなどたくさんあります。そういう問題に出会ったときどういう対応をするのか、そのやり方なのだと思います。
ネットに答えが。「世界中の航空機を追跡しているFlightRadar24によると、時間帯や時期によって違います。ピークとなるのが、7月から8月の金曜日の午後11時から午前1時。16,000機ちょっとが空を飛んでいます」だそうです。直接に「×月×日12:00には何機飛んでいる」という事実は分からないとしても、推測はできます。空港の数、各空港を発着する飛行機の数、利用者数、その他の情報からある程度範囲を特定できるでしょう。
有史以来地上に降り注いだ雨は何粒か、昨年度収穫された米粒は何粒か、今この瞬間に日本で走っている車は何台か、信号で止まっている車は何台か、など「意味がない」と切り捨てられそうな問題はたくさんあります。でも余裕を持っていろいろ考えてみるとよいと思います。アインシュタインだって小さい頃、光と一緒に飛んだらどういう景色が見えるか、なんて考えていたそうです。そういう話を知っている人は簡単に「こんな問題には意味がない」なんて言えないのではないでしょうか。