いぬおさんのおもしろ数学実験室

おいしい紅茶でも飲みながら数学、物理、工学、プログラミング、そして読書を楽しみましょう

新書『すごいインド』紹介

 たいへん面白い本でした。著者はインド出身、インド最高のIIT(インド工科大学)を出て活躍している人です。文体は穏やかで分かりやすくて、いかにも賢そうな感じ。いかに日本が恵まれているか、いかにインドが厳しい環境か、いかにインドのエリートたちが優秀か、取材とかではなく何しろ経験した当人が書いているのだから臨場感たっぷりです。インドでは人間のネットワークがすごく大事で、日本のように「ひきこもり」みたいな感じで生きてゆくことは不可能なのだそうです。こういった、インドの様子についてもたくさん書いてあります。インドは今IT大国と言われていますが、そうなるきっかけは前、このブログでも書いた2000年問題だとか。 

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 役人の腐敗なんかについても詳しく書かれています。

 また、インドでは優秀は人は必ず英語ができるのだそうです。日本は違います。英語はダメだけれど優秀な人だっているでしょう。日本では勉強のための本で、日本語で書かれているものがすぐ手に入るのです。だから必ずしも英語ができる必要はないのです。しかしインドではテキストは英語のものしかないのだそうです。だから勉強は英語でするしかなく、皆例外なく英語ができるのだとか。なるほど……。 

  もう何年も前ですが、ビックリ(そのときは本当に腰が抜けるほど驚いた………)したことがあります。同僚の若い先生が、「本は読まない」と言っていたのです。休日はゲームをしたり、だそうです。池上彰氏が歴史などの大変分かりやすい本を出しています。その中には「自分は世の中にこんな大変な問題があることを知らなかったのか……」と思い知らされるようなものもあります。しかしその先生は「自分がそうした事実を知ったところで何かできるわけではない。だから読んでも意味はない」と。いや、たとえ何もできなくたって、知らなきゃいけないこともあるんじゃないの? ……教員は生徒に「本を読め」「勉強しろ」なんて言うでしょう。そういう本人が本を読まない、勉強しないなんて、ぼくには最も悪質なギャグにしか思えません。教員を目指す生徒も多いです。そういう生徒は特に、……というわけでもないですが是非本を読んで下さい。