いぬおさんのおもしろ数学実験室

おいしい紅茶でも飲みながら数学、物理、工学、プログラミング、そして読書を楽しみましょう

スカイツリーの頂上から地平線までの距離

 東京スカイツリーは高さ634mです。てっぺんまで登ると地平線は何メートル先に見えるのでしょうか?

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 以下、特に断りがなければ単位はmです。図の円は地球で、半径をRとしています。高さhまで登ると地平線はAの所に見えます(地上の、Aより先にあるものは見えません)。このとき、距離xを求めてみましょう。△OABは直角三角形なので、3平方の定理から

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が成立します。左辺を展開して式を整理すると、

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となります。Rは地球の半径、6378.1kmなのでR=6378100m。

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ですから

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とみなせます。ルートをとって、

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が分かります。これがhメートルの高さに登ったときに見える、地平線(水平線でも同じ)までの距離を与える公式です。この公式で R=6378100、h=634とおいて x=89930.144m。およそ90km先なんですね。念のため、正確な

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で計算してみると

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=89932.3788m。あんまり変わりません。
 実際には大気による光の屈折などで少し違う値になるかも知れませんが、数学の話なのでよしとしましょう。