写真から立体を再現するのに必要な数学を少しずつまとめています。今回はその第3回。空間ベクトルを空間内の平面(xy平面などだけではなく、一般の平面)への正射影したベクトルを計算するための行列を求めます。もっと一般的な議論(n次元ベクトル空間からその部分空間への射影)は何回も紹介している『線形代数セミナー-射影,特異値分解,一般逆行列-』(金谷健一2018共立出版)にあります。また、次の記事にも関係する話題があります。
例を挙げましょう。
もうひとつ、例を。
もちろんこれをさらに計算しても構いません。
写真から立体を再現するのも大変です……。そういうライブラリがPythonあたりにはあるかも知れません。あったらそれを使えば簡単、と思う人もいるでしょう。それはそうなのですが、そうしてしまっては再現の理屈は何も分かりません。線形代数の関係する部分を勉強するいい機会です。ここでちゃんと勉強し直してまとめておけばこの分野のもっと先を勉強できるようになりますし、何より面白い。いったん理論を理解したら、ライブラリがあるならそれを使うようにすればよいのです。
キーワード:射影、正射影、射影行列、部分空間への射影、平面への射影、立体の復元、再現