いぬおさんのおもしろ数学実験室

おいしい紅茶でも飲みながら数学、物理、工学、プログラミング、そして読書を楽しみましょう

プリント授業はよいのか

 今年度はずっとプリントで授業をしています。普通、と言うか周りを見ても、大抵は黒板を使って「定義」とか「例」とか「定理」、「問題」とか書いています。ぼくもずっとそうでした。特に、とある本に「学生のアンケートに『定理をちゃんと書いて欲しい』というのがあった」(何となくではなく、「××かつ××であれば××が成立する」というように明確に、の意)と書いてあるのを見て以来(ここ10年くらい)、結構ちゃんとやっていたのです。しかしこれ、かなり大変です。試験範囲は決まっているのだから、そこまでは何としても終わらせなければなりません。のんびり「定理:××であるとき……」などとやっていると練習問題を扱う時間も削られます。ぼくは数学は書かないとできるようにならないと思っていますが、それは家でやればよいと考えることでもできます。

 授業ではもちろん証明もきちんと扱います。しかし書いたものをこちらで用意しておけば生徒が書く時間を節約できます。「こちらを見ながら聞いてください」とやれるのです。いつもよりずっと速く進みますから(1.5倍~2倍)、生徒の質問を十分に聞くこともできますし、数学史から何か選んで話すことも、進んだ内容の問題をやらせることもできます。「黒板を写すのに一生懸命で教員の話を聞いていない」状況も改善できます。いいことばかりだ!! いや、ノートをしっかり取って……というのが勉強なのだ、という気もするんですが、メリットが多く、今ではもっと前からこうしていればよかったとも思っています。本当に今更ですが。プリントを作るのは多少手間ですが、どっちにしても授業の準備はするわけだし、プリント作成がそのまま準備になるからよし。

 最近、大学では担当の先生がポイントを分かりやすくまとめたプリント(とは言わないかも知れませんが)を用意していて、それがネットにあったりします。授業はこれに沿って実施するんだと思います。図もきれいに描いてあり、学習者に優しい感じです。先生自身の理解の道筋でもあるんでしょう。高校では年度によって教科書が変わることも多く、まるっきり同じようにはできませんが。

 少し話題はそれますが、板書がすごくきれいな人がいます。数学は極端で、汚い人ときれいな人に分かれる気が。冗談でなく「ワープロか?」と言いたくなるような板書をする同僚の先生もいました。TVで予備校の先生が「私たちはプロですから」ときれいに板書していました。確かに予備校の先生の字はきれいだし図も上手ですよね。ぼくも一応プロなんですが……。