いぬおさんのおもしろ数学実験室

おいしい紅茶でも飲みながら数学、物理、工学、プログラミング、そして読書を楽しみましょう

オリンピックにちなんだ問題

 職場でオリンピックにちなんだ問題を出題されました。

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考えやすいように各部分に変数を書いておきましょう。変数x1~x9は全て1から9までの自然数で、同じ数が2回以上使われることはありません図には円が5個描かれていますが、これらに入っている自然数の和はどの円でも一定です。左端の円にはx1,x2が入っています。その右下の円にはx2,x3,x4があります。このときx1+x2=x2+x3+x4などが成立している、というのです。さて、このとき、x1~x9を定めて下さい。しばらく自分でいろいろ検討してみるのがいいでしょう。
 「各円内の和は等しい」という事実からいくつか方程式が得られます。例えばさっきのx1+x2=x2+x3+x4とか。連立方程式ですが、普通に加減法なんかを使って解を求めるには本数が足りません。やはり1~9の並べ替えが解になる、という事実を使わないと。「円内の和はどれも等しい」のでした。例えばその和が11なら? 円は5つ。だから単純に5倍すると55。x1+x2+……+x9=45ですから(1から9までの自然数の和)、55-(x2+x4+x6+x8)=45が成立するはずです(x2、x4、x6、x8は2重にカウントされているから)。これよりx2+x4+x6+x8=10となります。お、これでいけるか……?? 単純にx2=3,x4=1,x6=4,x8=2といれるとピッタリです(少し考えながら試行錯誤すればすぐです)。しかし、円内の和が11より小さい値、例えば10ということはありません。50-(x2+x4+x6+x8)=45からx2+x4+x6+x8=5で、これを満たす変数の値はないからです。一般的に考えます。各円の和をkとしましょう。5k-(x2+x4+x6+x8)=45からk=9+(x2+x4+x6+x8)/5です。x2=6,x4=7,x6=8,x8=9とおくとk=15。kとしてはこれより大きな値はあり得ませんから、結局11≦k≦15とわかりました(また少し考えれば実はk≦14であることがすぐ分かります)。ここまで絞れたからあとはパソコンで可能性全てをしらみつぶしに調べちゃおうかな……、とも考えましたがまあ一段落。後はみなさん各自でやってみてください!! 賢い人はもっといい答えを思いつくことでしょう。