いぬおさんのおもしろ数学実験室

おいしい紅茶でも飲みながら数学、物理、工学、プログラミング、そして読書を楽しみましょう

お話3つ。ゲーデル、角の3等分、だまだまマーク。

ゲーデルの話 

 故・竹内外史(がいし)先生(数学者。数学基礎論の専門家)が天才数学者ゲーデルについて「自分より100倍も200倍も賢いああいう人が自分より100倍も200倍も努力しているのを見ると自分も勉強しなければならないと思う」ということをおっしゃっています。本で読みました。恥ずかしいです……。勉強はしているつもりだけれどレベルがまるっきり違います。しかし、勉強していないと自分がいかにできないのか、それにすら気づけません。

 「10倍も20倍も」かと思い込んでいたんですが、サイトを見たら「100倍も200倍も」というのがあったのでそう書きました。
角の3等分問題の補習
 長期休業の補習で何回か「任意に与えられた角は3等分できない」という定理の解説をしてみました。高校の数学の範囲をはみ出ていますし、どうするか考えました。他人に説明するには自分が分かっているだけでは不足です。だから自分の勉強になります。それに1回きちんとまとめておけば今後使えるかな、と。プリントはブログに載せています。 

www.omoshiro-suugaku.com

 高校生の頃、矢野健太郎先生の『角の三等分』を興味深く読みました。一般向けの本ですからきちんと説明されていない部分もあり、どうやって証明するのかずっと疑問でした。大学で勉強して「おお、なるほど……!! あの本のあれはこういうことだったのか!!」と、もう感動でした。阿刀田高(あとうだたかし)氏が、小さい頃に読んだきりずっと読み返さなかった本を大人になってから読んでみると「ああ、これ、これ。こんな感じだったよ」と思う、と書いています。小さい頃に読んでいたものと言えばぼくは童話ですが、今読むと確かにそんな感じです。ちょっと違いますがさっきの証明の話に近いかも知れません。阿刀田氏は「この感覚は本を読んでない人は味わえない」と言っています。よいものですよ。童話も、証明も、です。

だまだまマーク 

 『だまだまマーク』というのを読んでみました。幼稚園に通う子どもがいつの間にか「だまだまマーク」という言葉を使うようになります。両親は何のことだろうと思って聞いてみますが、子どもの言うことですしよく分かりません。幼稚園の先生は「何年かに1人ずつ、そういう子どもが現れる」と教えてくれますが、先生たちにも「だまだまマーク」が何のことかは分かりません。幼稚園にある大木の洞(ほら)、よさそうな建物なのにいつも人がいない空き家。抜群の舞台もそろっています!