大学に入ってずいぶん経って先輩から使い古しのパソコンを買いました。PC-8001というやつです。もちろん当時のパソコンは今に比べればまるっきり非力で、たいしたことはあまりできませんでした。ソフトもほとんどなし。そもそも売られていないのです。いや、ソフトを買おうという発想自体、まだみんなが持っていませんでした。パソコンを使いたい人は自分でプログラム(=ソフト)を書いていたのです! 信じられないのでは? 使える言語はBASICとマシン語(マシン語は「マシンの性能をフルに引き出せます」が書くのは大変です)。ぼくはBASICでテニスゲームなんかを書いて友だちと遊んでいました。今の3Dの美しいテニスゲームを想像されても困ります。時代が違うんだから! 下みたいなヤツです。白いマルがボール。これを打ち合います。
今はソフトなんか様々、何でもあって(しかも素晴らしいソフトがフリーだったり)、パソコンで何をするにも不自由はありません。しかし、それは自分で何かを作る必要もなくなったということです。一方、誰でもその気になればすぐにでもソフト作りは始められるし、まとまった機能を持つソフトもはるかに作りやすくなっています。ラクにはなったけれど、惜しいような気もします。当時の、うーん……表現が難しいんですが「わからないものを相手に試行錯誤する、がまんのできないワクワク感」みたいなものは減ったよなあ……。