いぬおさんのおもしろ数学実験室

おいしい紅茶でも飲みながら数学、物理、工学、プログラミング、そして読書を楽しみましょう

『麻酔の科学』紹介

 手術を支える麻酔、そして麻酔科医について、麻酔科医が楽しく書いた本です。TVでもコミックスでも、外科医が手術をするとき、大抵は麻酔科医については触れることすらありません。しかし、この本を読むととんでもない、麻酔科医がいかに大事な仕事をしているのかよく分かります。大きな手術では全身麻酔をかけます。麻酔中は患者はうまく呼吸できなかったり、血圧が大きく変化したりしますが、自分では対応できません。だから麻酔科医が管理しなければならないのです。原作は読んだことがありませんがTVの『医龍』では天才外科医朝田と、彼を支えるやはり優秀な麻酔科医荒瀬が出てきますし、『ドクターX』でも外科医と麻酔科医がしっかり活躍しています。最近は(?)こうして麻酔科医にもスポットが当たっていますが、ぼくはこの本を読むまでそういう医師がいるとは知りませんでした。麻酔の歴史についても詳しく触れており、大変興味深い内容です。 

  専門も違いますし、ただ普通に勉強していてもこうした事実に出会うことはありません。麻酔科医の仕事について特集する番組だってほとんどないでしょう。「読書は面白い」と思う瞬間です。知らない世界にまだまだいくらでも面白いことがあります。最初に読んだのは第1版です。すごく面白かったので第2版が出たときすぐに買ってまた読みました。