異なる分母の既約分数の和は整数になりません。これを示しましょう。3/2+10/3、1/3+5/8など、何となく明らかっぽい気もしますが、分かりませんよね。
和を考えましょう。通分して、
を得ます。もとの2つの分数はどちらも規約なのですからm,nは互いに素ですし、p,qも互いに素です。もしこの和が整数だとしたら、分子はpで割り切れるはずです。分母がpの倍数なのだから当たり前ですよね。分子にあるmpはpで割り切れますから、nqがpで割り切れなければなりません。p,qは互いに素なのでnがpで割り切れるはずです。次に、分母がnで割り切れるので分子もnで割り切れるはずです。よってmpがnで割り切れなければなりません。ここでm,nは互いに素なのでpがnで割り切れるはずです。以上からp=nと分かります。つまり、異なる分母の既約分数の和は整数にならないのです!
証明自体は易しいですが、ぼくは言われるまでこういう事実があるとは知りませんでした……。