1.
ある定理(ある級数の収束に関する定理)の証明の最後の方に右のような不等式が出てきました。nは自然数(1,2,3,………)です。
なぜ成立するのか特に何の説明もないですし、じゃあ簡単に示せるのか? (最悪、導関数を求めて証明できるんだろうけど)しばらく悩んでいて、そのうちに「あ……!!」。「相加平均、相乗平均の関係」というのがあったのでした。
が成立します。これを用いて
でいいんですね。ヤレヤレ……。
2.
ちょっと変わった(?)証明。定理「……★ が重解bを持つときは、
が成立する」を証明します。
bが★の重解ならば、p(x)を3次の多項式として が成立します。これは恒等式ですから、xに何を代入しても成立します。そこで両辺にx=b+εを代入してみます(ε ≠ 0 とする。εは「イプシロン」)。すると
を得ます。左辺を計算すれば
……★★となります。5乗の展開には2項定理を使えばいいでしょう。bは★の解なので
が成り立ちますから、これを★★の左辺に代入して、
が成立。両辺をεで割ると
∴
ε( ≠ 0) はどんな数でもいいので、いくらでも0に近い値を使えます。このとき最後の式の右辺はいくらでも0に近づきます。ところが左辺は定数ですから、この左辺は0でなければなりません。これで が示せました。
いや、正しい証明なんだけれど、「うーん」と唸ってしまいました…。