いぬおさんのおもしろ数学実験室

おいしい紅茶でも飲みながら数学、物理、工学、プログラミング、そして読書を楽しみましょう

過保護だ……

 どうも、高校では「君の弱点はここ!」みたいな冊子が配布されたりしているところも。もちろん学校に、生徒毎のそんな冊子を作る時間はありません。受験業界の企業がやっています。いいことなのかもしれません。しかし、ぼくは否定的です。要するに、過保護だ、ということです。

 高校の先にある大学や社会では「アナタはここが弱いのです。このように勉強してください」なんて誰も教えてくれません。冊子を見て、一時的には効果は出るかも知れません。しかしそんな楽をしてはダメでしょう……。弱い所なんて痛い目に遭いながら自分で身にしみて気づくのが当たり前。ぼくはそうして手に入れた知識、技術だけが本物なのだと思います。

 故・大山康晴十五世名人は「自分の将棋は肌で憶えた将棋。若い人の、頭で憶えた将棋に負けるはずがない」と言っています。これ、証明もできないですし、精神論みたいなものです。でもぼくは正しいと思います。冊子の話と同じことです。

 

 「分かりやすい授業を!」……なんだかこればっかり。過保護です。分からないことなんか、世の中には無数にあります。自分が数学を、物理を、この先勉強していこうと思っているとき、ちょっとやそっと理解できないことが出てきたって「何としても理解する!」くらいの気概がなくてどうするのか、疑問です。ガリレオシリーズの湯川先生は「若い君たちが昔の人の考えたことを理解できないはずがない。簡単に諦めるな。諦め癖がついて、理解できるものまでできなくなる」と言っています。