3人がそれぞれプレゼントを持って集まりました。3個のプレゼントを目をつぶってでたらめに混ぜ、3人に配り直します。自分の持ってきたプレゼントが自分に配られることもあります。で、問題です。誰も自分の持ってきたプレゼントを受け取らない確率を求めてみましょう。ちょっと書いてみればすぐに答えは分かりますが、ここでは先に続く考え方を紹介します。
3人をaさん、bさん、cさんとし、それぞれがプレゼントa’、b’、c’を持ってきたとしましょう。集合Aを「aさんが自分のプレゼントを受け取ってしまう受け取り方」全体の集合とします。B、Cも同様です。Aには「a,b,cさんがそれぞれa’,b’,c’をもらう」、「a,b,cさんがそれぞれa’,c’,b’をもらう」という受け取り方が含まれるのでAには|A|=2!=2個の要素が入っています。A∩Bは? 「aさんもbさんも自分のプレゼントをもらう」ということですから、これには「a,b,cさんがそれぞれa’,b’,c’をもらう」という受け取り方しか含まれません。A∩B∩Cにも「a,b,cさんがそれぞれa’,b’,c’をもらう」だけが含まれます。誰かが自分のプレゼントを受け取る場合の数は|A∪B∪C|ですから、これは
|A∪B∪C|=|A|+|B|+|C|ー|A∩B|ー|B∩C|ー|C∩A|+|A∩B∩C|
で計算できます。すると
|A∪B∪C|=3×2!ー3×1+1=3!-3+1通りです。これを配り方の総数3!から引けば誰も自分のプレゼントを受け取らない場合の数が求まります。続いて配り方の総数3!で割れば最初の問題に対する答えが得られます。結果は1/3です。
ところで……少し式変形して
と書き直してみるとどうでしょうか。おお、これなら式の作りがよく分かる!! 4人のときどうなるかも予想できます。
となりそうですね!? 5人でも6人でも分かります。
次回、これを用いてちょっと面白い話に続けます。