次の問題を考えましょう。
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自然数aは3で割ると1あまり、5で割ると2余り、7で割ると3余る。aを105で割った余りはいくつか。
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105=3×5×7であることを注意しておきましょう。今、次のような数xを考えます。
x=70×1+21×2+15×3
この式をよく見ると、70は5でも7でも割り切れますが3で割ると1余る数です。21は3でも7でも割り切れますが5で割ると1余る数です。15は3でも5でも割り切れますが7で割ると1余る数です。従って、xを3で割ったときの余りは1項目(70×1)から出てきます(2項目、3項目は3で割り切れる)。同様に、xを5で割った余りは2項目から出るので余り2です。そしてxを7で割った余りは3項目を割って3と分かります。つまりこの問題の答えはx=157、としてもいいわけですが、105で割った余りですから105を引いても変わりません。そこで157-105=52を答えにします。うまい考えですよね。
日本には江戸時代、和算家と呼ばれる人たちがいました。数学を独自に研究して、よい結果をたくさん出していたそうです。だいぶ前ですが映画化もされた小説『天地明察』の登場人物、関孝和(せきたかかず)は和算家です。この問題は和算家の間でも有名で、百五減算(ひやくごげんざん)と言います(105を引くから!)。この問題に関しては中国剰余定理というのがあります。