前回の続きです。関数y=f(x)のグラフは下に凸であると仮定しましょう。このとき、前回の話によると
が成立するのでした。証明は3角形の重心を使ったものだったのですが、別の示し方もあります。まず、
p,q≧0 かつ p+q=1 のとき f(pa+qb) ≦ pf(a)+qf(b) ……★
が成立します。pa+qbはx軸上の点をA(a)、B(b)として線分ABをq:pに分ける点の座標です。下の図を参照してください。★が成立することが分かります。
これを用いれば、以下のように最初の不等式を示せます。
途中、
は証明済みの事実として使っています(前回に確認した。あるいは★を直接使っても出ます)。
グラフが下に凸であることしか仮定しいないのにこういう結果が出てくる。面白いことだと思います。