いぬおさんのおもしろ数学実験室

おいしい紅茶でも飲みながら数学、物理、工学、プログラミング、そして読書を楽しみましょう

夏休みを終えて……。補習、講師の教員採用試験について。

 夏休みも、コロナの影響でもう終わりのところも多いでしょう。ぼくもそろそろ仕事が始まります。今年はそもそも夏休み自体が短かったからどうか分かりませんが、最近はどこでも休み中の補習が盛況ですね。同じ学年の数学でも、AdvanceとBasicなんかに分けたりして。1年生の参加者が200人以上、なんて学校もありました。まあ夏休みだし、気持ちにも余裕があって楽しく勉強、ってことでいいとは思います。しかしぼくは実は補習なんか、やったところで効果はほとんどなし、と思っています。実際、仮に補習で少し何かが分かったとしても次回分からないことが出てくればもうそこまで。「自分で勉強すること」を憶えなければダメなのです。生徒が「補習に出さえすれば大丈夫」なんて発想でいるならさらにまずいでしょう。補習など、好意的に見てもせいぜい「ちょこっと授業が増えただけ」と考えるのが正しいと思います。しかし教員側も考えた方がよいのではないでしょうか。以前勤めていた学校で、ある先生が「補習なんて、やればいいってもんじゃない。やるべき教員がやって初めて効果が出るんだよ」と言っていました。あはは、厳しいなあ……。でもそういうものなのでしょう。

 そうすると、補習なんかに頼らないで自分で勉強するのは当然として、せっかくの夏休みなのですからこのブログでもずいぶん勧めている読書をするとよいでしょう。「大学でこれを勉強するんだ!!」と目標にするのです。様々な本は、どこにどんな面白い話があるのか教えてくれます。これが本物。夏休みに補習を受けて満足する、そんなのとは質が全く違う勉強です。

 さて、別の話を。ぼくは労働環境が変わり、かなり自由に勉強できるようになりました。特にこの夏休みはかなり進んでいます。で、つくづく感じました。本気で勉強したいならきちんと時間を取らないとダメです。教員の「部活で培った集中力で勉強するのです」なんか、あてにしないことです。やはりコロナでどうなっているのか分かりませんが、教員採用試験が夏から始まります。学校を出てから何年か受からず、講師をやっている先生もいます。割り切ってずっとそういう仕事の仕方をするつもりならよいのですが、本当に受かりたいなら個人的にはスッパリ仕事は辞め、受験に集中するのがいいと思います。1浪して講師はせず、本採用された若い先生がいました。聞くと「部活なんかもあるし、仕事と並行して勉強はできないと思った」とのこと。何年か講師をしながら採用試験はずっと落ちている先生と話す機会があったので、さっきの先生の話をしておきました。生活のこともあるわけで、簡単にどちら、と決めるわけにはいきません。でも傍目から見て「この人、これじゃあ受験勉強なんかできないよ……」と感じることがしばしばあるのです。そうしてなんとか受かった先生は、生徒に「部活で鍛えた集中力で……」なんておとぎ話などせず、事実を伝えて欲しいものです……。「本当に受かりたいのなら時間をしっかりとって勉強してください。自分の経験では……」と話してください。