いぬおさんのおもしろ数学実験室

おいしい紅茶でも飲みながら数学、物理、工学、プログラミング、そして読書を楽しみましょう

『引き抜き屋(1)』紹介

 『引き抜き屋(1)鹿子小穂の冒険』(雫井脩介2019PHP文芸文庫)を紹介しましょう。引き抜き屋とはヘッドハンターのことです。キャンプ用品、アウトドアウェアなどを開発、販売する「フォーン」は創業以来の30年で売り上げ140億の会社に成長しました。社長の娘、30歳の鹿子小穂(かのこさほ)はフォーンでそれなりに仕事をこなしていましたが、ヘッドハンターが引き抜いてきた常務とうまくいかずに会社を追い出されます。その後小穂はひょんなことから自身が「虚業」と評していたヘッドハンターの業界に入ることになるのです。

 ここまでで1/3くらい。面白かった! 読みやすい、自然な文体。分かりやすい表現。 まさにこれ。↓www.omoshiro-suugaku.com

 知らない業界の話ですし、業界のやり手たちが苦労しながら仕事をする様子も描かれ、「へえー」と思うこともたくさん。(2)もあるし続きが楽しみです。本屋さんの前で2週間くらい「買おうか、買うまいか」と逡巡していたんですが、思い切って買ってよかったです。おもしろさの感覚としては、『オレたち花のバブル組』(池井戸潤)みたいなものでしょうか。「ぐいっ」と引っ張り込まれる、あの感じ!