いぬおさんのおもしろ数学実験室

おいしい紅茶でも飲みながら数学、物理、工学、プログラミング、そして読書を楽しみましょう

碁というゲーム

 何年か前、碁を始めようと思って本も買い込み、ルールから勉強し始めました。しかし難しい。ぼくは将棋は小学校の頃から指していて、そのときはやはりスタートは棋士の書いた「将棋入門」みたいな本でした。将棋の目的は単純で、相手の王様を詰めることです。つまり、王様の逃げ場をなくして王手をかければ勝ちです(王手がかかっているとは、王様は逃げないと相手に取られてしまう状態)。将棋にはいろんな機能を持った駒があります。邪魔がなければ前後左右いくらでも自由に動ける飛車、前へ1マスしか動けない歩(ふ)、……。人間のグループもそんな感じでしょう。色々な役割があって、トータルで何かいい仕事をしようとする、みたいな。要するに将棋というのは、いかにもありそうなゲームなのです。しかし碁は多分違います。打つのは同じ石、どれも機能に差はありません。その点は単純です。しかし、始めたばかりのレベルでは人の対局を見ても一体何をやっているのか全く分からないのです。将棋のように「あの駒ががこう動いて空いた隙にどの駒を打って、……」とか、深い読みならもちろん分かりませんが「ああ、何か作戦があるんだな」という理解はできます。碁は「陣取りゲームで、広い陣地を取った方が勝ち」と単純な説明を聞きますがそう聞いても「自分がどう打てばいいのか」には全く活かせません。それどころか、そもそもいつ終わったのか、それすら分からないのです。将棋は「詰み」という状態になれば終わります。見れば分かります。碁も、3目(もく)差など、そうなればぼくにも終わりは分かりますが、ちょっと見て分かる、そういう状態で終わっているわけではどうやらなさそうです。野球盤もオセロゲームもバスケットボールの試合も、もちろん色々な作戦など、ぼくみたいなのが見ても意味が分からないところはあります。しかし少し説明されれば何をやろうとしているのか、それは分かる。碁は違うのです。ゲームの歴史とか、その辺は分かりませんが同じようなゲームって他にはないのでは……? 不思議なゲームです。

 コミックス『ヒカルの碁』はひと通り持っています。面白くて何度も読んでいて、「碁もいいなあ」と思うんですが、なかなか続きません。少し時間に余裕もできたので始めてみるかな……。そういえば『ヒカルの碁』は登場人物たちが何か凄い手を打つと「おお、凄い」と思うんですが、実は何をやっているのか、もちろんさっぱり分かっていません。それでも面白いというのはこれも凄い……。