いぬおさんのおもしろ数学実験室

おいしい紅茶でも飲みながら数学、物理、工学、プログラミング、そして読書を楽しみましょう

『脱ブラック部活』紹介

 『脱ブラック部活』(中小路徹2018洋泉社)を紹介しましょう。主に中学校ですが、部活について書いてあります。「ブラック」部活の具体例がたくさん載っています。目次は次の通り。

 

第1章 ブラック部活の実態
――顧問、生徒、保護者にとっての苦痛と苦悩
第2章 暴力的指導としごき
第3章 多発する重大事故
第4章 ブラック部活はなぜなくならないのか
第5章 脱ブラック部活へ
第6章 旧来の概念からの脱却
エピローグ

 

相当ひどい部活もあるということがよく分かります。起こった事故についても書かれています。自分が親だったら許すことができないだろうと思うケースもありました。中学校、高校の教員は読むとよいと思います。 

脱ブラック部活 (新書y)

脱ブラック部活 (新書y)

  • 作者:中小路 徹
  • 発売日: 2018/09/04
  • メディア: 新書
 

 部活については前、書きました。 

www.omoshiro-suugaku.com

 書き足りていないこともあるので少し。公立校なら17時には帰れるはずなのに、そんなものは全く守られていません。学校がそうさせています。教員は強制的にどこかの部活の顧問をやらされるのです。「必ず運動部を2部活、希望を出すこと」などというルールがあるところも。それ、もう「希望」じゃないでしょう……。そして特に運動部は遅い時間まで活動しているところも少なくありません。前、ぼくは管理職に「××部の顧問をやってもらえないか」と言われて、断ったことがあります。よほどなり手がいなかったんでしょう、日を変えて3回頼まれたのですが3回とも断りました。その部活は1年間顧問をやり、土日に学校に引っ張り出されることが分かっていて、それが我慢できなかったのです。「新任の先生がその種目が専門なので多分その方がいろいろやってくださいます」とも言われましたが、そんなものはどこまであてにできるか分かりません。みんな、「この部活はたいへんだ」と分かっていたから顧問になるのを嫌がっていたんじゃないかな……。しかしそれでもとにかく顧問をつける、というのがよく分かりません。「大変な部活だから顧問が決まらなかった」と正式に公表すればいいことです。そうすれば土日の練習をなくすなど、学校として堂々と対応できるのに。

 現在の部活動は単に教員の好意で成り立っています。部活が好きな教員も生徒も保護者もいることは確かで、それ自体はいいのです。部活に力を入れればいいでしょう。…………と言うか、それが一番です。でも「だから全員がやるのだ」は通らないと思います。ぼくはもうあまり関係がありませんが、今や機運も熟したかも知れません。そろそろきっちりケリをつけた方がいいのではないでしょうか。ちなみに……「やりたくない」と言った人間がいかなる場面でも不利になるようなことがあってはいけません。そこまで話をもっていければ「ケリ」です。