集合Aはaさんが自分のプレゼントを受け取らない配り方全体の集合でした。n人いたら、誰かが自分のプレゼントを受け取る場合の数は次の式で得られる、と前回までに書きました。
n=3 までは示してありますが一般の証明はしていません。証明は大変ではありませんが、ここではn=4のときに成立することを確認してみます。つまり
を示します。
|A∪B∪C∪D|
=|A|+|B|+|C|+|D|ー|A∩B|ー|A∩C|ー……ー|C∩D|
+|A∩B∩C|+|A∩C∩D|+|A∩B∩D|+|B∩C∩D|ー|A∩B∩C∩D|
なのでした。ここで|A∩B|など、2つの集合が出てくる項は(A、B、C、Dから2個取り出す方法が6通りあるので)6個あります。各項をそれぞれ見てみます。
|A|=3!(aさんが自分のプレゼントを受け取る)
|A∩B|=2!(aさん、bさんが自分のプレゼントを受け取る)
|A∩B∩C|=1(a、b、cさんが自分のプレゼントを受け取る)
|A∩B∩C∩D|=1(a、b、c、dさんが自分のプレゼントを受け取る)
ですから、
と分かります。一般の場合も証明の仕方は明らかでしょう。
前回の記事ではn→∞のとき、誰も自分のプレゼントを受け取らない確率は1/eであることに触れました。どうしてこんなところにeが出てくるのか? そもそもeは自然対数の底で、
といった特別の性質を持つ定数です。プレゼントの確率とは関係なさそうですが実はそうではないわけです。不思議です……。