いぬおさんのおもしろ数学実験室

おいしい紅茶でも飲みながら数学、物理、工学、プログラミング、そして読書を楽しみましょう

コミックス『ブラック・ジャック』紹介

 中高生で(大学生でも!)医者とか看護師志望なら『ブラック・ジャック』、『ブラックジャックによろしく』(どちらもコミックス)とか、あるいは現役の医師が書いた本も今はたくさんあるし、前にブログで紹介した『白い巨塔』みたいなドラマもあるし、何か読むか見るかするとよいと思います。実際にそういう生徒もいますが「医者になりたい」と言いながら医者が主人公のドラマも小説も知らない……というのはちょっと理解しがたい気がします。数学だって、好きになれば「数学はどんな感じに発展してきたのか」とか「ガウスはどのくらい優れていたのか」とか、そういう興味がわいてくるはずなのです。放っておいても関係する本なんかを読むようになる……はずです。でもどうも必ずしもそうではないようで、ぼくにはよく分かりません。 

 『ブラック・ジャック』は「マンガの神様」と言われる手塚治虫原作の、40年以上前のマンガです。暗い過去を持ち、顔に大きな傷跡のある、腕は抜群だが無免許の外科医ブラック・ジャックの活躍が描かれます。リメイクもされてアニメもありますがいろいろ問題もあるのか、どぎつい話はソフトにされてしまっています。コミックスでは、ハッキリ言うとダーティー。法外の治療費を要求し、勝手に手術をしてしまったりしなかったり、悪人を見殺しにしたことすらあります。彼と母親をひどい目に遭わせた(顔の傷はそのときのもの)連中に復讐する話もあります。しかし彼は実は温かい人で誰よりも命とは何か、医者とは何か、考えているのです。
 ある先生は「面接で『ブラック・ジャック』を読んで医者を目指しました」って言って落とされたら、そんな学校には入らなくていいよ」と言っていました。ぼくもそう思います。