『3次元ビジョン』(徐剛、辻三郎1998共立出版)を紹介します。まえがきには「画像と3次元世界との幾何関係およびそれを利用した3次元世界の復元を中心に記述したものである」とあります。目次は以下の通り。
1章 序論
2章 画像、カメラと射影
3章 特徴抽出
4章 直線の抽出とパラメータ推定
5章 エピポーラ幾何
6章 カメラの校正
7章 両眼視
8章 動画像の対応と分割
9章 動画像からの運動と形状の復元
10章 物体認識
ぼくは、立体を撮った何枚かの写真からもとの立体をPC内で構成する実験をやってみたかったので、丁度ピッタリの参考書でした。「(ライブラリなどを使って)立体を再現できればいい」というだけでなくきちんと理屈も勉強するつもりだったので、そういう意味でもよい本だと思います。「逆行列と疑似逆行列」、「特異値分解」など付録としてスッキリまとまった説明もあり、これもよかったです。ぼくには難しい部分もたくさんありますが、読むたびに新しい発見があります。章末の練習問題にも興味深いものがいくつもあります。
ある行列を2つの行列の積に分解するときに4元数を使う方法を用いるなど、面白い記述もあります。4月以降、時間ができそうなので色々実験してみたいと考えています。楽しみです。
この辺の理屈をしっかり理解したいなら、線形代数、行列について勉強しなければなりません。特に対称行列の理論や固有値、特異値分解など、やらなければならないことはたくさんあります。このブログでもいくつか本を紹介しています。
勉強したことをまとめておかないと。こちらも楽しみです。