いぬおさんのおもしろ数学実験室

おいしい紅茶でも飲みながら数学、物理、工学、プログラミング、そして読書を楽しみましょう

2元1次不定方程式の解き方、2通り

 2x+3y=1(x、yは整数)……① を解きましょう。特に難しいというのでもなく、教科書にも載っている普通の問題です。

 まず特殊解を見つけます。つまり①を満たすx、yの具体例を見つけます。カンで分かるでしょう。x=ー1、y=1でよいですね。するともちろん

2・(-1)+3・1=1……② が成立です。

①-②より、2(x+1)+3(y-1)=0

よって2(x+1)=-3(y-1)……③

ゆえにx+1=-3k(kは整数)……④

よってx=ー3k-1です。

③に④を代入すれば2(-3k)=-3(y-1)

よって2k=y-1

ゆえにy=2k+1です。

かなり丁寧に書きました。それにしてもちょっと面倒です。別の方法を紹介しましょう。

 

 前、合同式について定義や基本的な定理を示しました。この合同式を使います。もとの方程式2x+3y=1は、

2x≡1(mod 3)と書けます。2xー3k=1だからですね。

この合同式の両辺を2倍しましょう。

4x≡2(mod 3)

左辺から3xを引きます。mod 3 で考えているのだから好きな辺から好きなだけ3の倍数を引いても相変わらず合同なのです。

x≡2(mod 3)

これはx=3k+2(kは整数)であることを意味します。さっきの答えx=-3k-1と同じ値たちを表すことは明らかでしょう。

 簡単だ……! いや、係数の都合などいろいろあるんでしょうが、それでもちょっと面白い解き方でしょう?

 合同式、扱いに慣れておくとRSA暗号の理屈(前、ブログに書きました)の理解など、整数が絡む話を読みやすくなります。がんばりましょう。